教育

学校の部活問題。体罰との関係。

投稿日:2017年5月11日 更新日:

教員の長時間労働について改善を叫ばれる中、部活動の運営について様々な対応がとられるようになってきています。ただし、それはまだごく一部で、先生方の善意に頼った部活動の実態は大きくは変わっていません。また、部活動の問題は教員の長時間労働の問題だけではありません。他にも様々な問題があります。

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学校の部活動での問題

≪学校の部活動について聞く問題≫
・教員の長時間労働。部活顧問を引き受けるか引き受けないかの選択ができない。
・部活動での体罰。
・部活の時間が長く、勉強できない生徒。
・家族との時間が取りづらい。
・教員は本来そのスポーツの専門家ではない。教科の専門家である。生徒が若いうちに体の故障を引き起こす危険がある。

生徒、保護者、教員、それぞれから「苦しい」という声が聞こえてきます。これほどいろいろなところから声が上がっているのに、事態が大きく改善される兆しはありません。

部活動はボランティアの強制

最近になってやっと世間に知られてきましたが、部活動は学校の教育課程ではないので、学校とは一応切り離された活動とされています。部活動の顧問の先生たちは、ボランティアで部活動顧問を引き受けています。もちろん部活動はほとんどが時間外に行われるものですので、部活動は時間外労働になります。顧問の先生に支払われる残業手当は一切ありませんが、休日部活では申請すれば1日3,000円ほど手当が出ます。時給ではありません。日給です(半日でも一日でも値段は同じ)。
ところでいったいどのくらいの時間を、顧問の先生はボランティアである部活動に費やしているのでしょうか?県によって部活動時間が違いますが、ごく一般的と思われる時間で計算してみると、
≪平日≫
時間は毎日4時半~6時半くらいで、週2日~4日(県によって違います。)
≪休日≫
土日どちらか4時間程度

平日は仮に3日間行うとします。2時間×3日=6時間。そして休日は4時間とすると、合計10時間。これが4週あるので、月40時間。これはあくまで最低ラインだと考えられます。練習試合や公式試合が入ってくると、土日両方が部活にとられるということもありますし、時間的にも1日の活動になります。また県によっては平日は4日やっているところもあります。
特に若い20代~40代の先生方の中には、100時間を超える残業を当たり前のようにこなしていることが少なくないようです。部活動とその他の仕事で140時間、150時間の残業になってしまうこともあるようです。確認ですが、過労死ラインは残業80時間(週20時間)。上限が100時間です。文部科学省が4月28日に2016年度の教員勤務実態調査結果を公表しました。それによると、国が示す「過労死ライン」週20時間以上の「残業」をした教諭は中学校で57・7%だったそうです。部活動が週10時間以上あるとすれば、仕方がない事ですが。

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ボランティア部活と体罰の関係

部活動が学校の教育課程ではなく、ボランティアで行われているという前提に立てば、体罰に近い指導があったとしても、校長先生は顧問の先生のやり方に強い指導を入れることはできないですね。あくまでも、部活動は顧問の先生が自分の家族や自分の時間を犠牲にして学校の活動とは別に行っている活動。強く言える立場でもないですし、それに対してい厳しく指導すれば、「では顧問を辞めます」と言われかねません。辞められてしまったら、代わりは誰が務めるのでしょうか?ほとんどお金ももらわず、怪我などの責任だけは背負って部活動顧問をしてくれる人が他に見つかるでしょうか?見つかったとしても、その新しい外部顧問の先生は、平日は2時間、休日は4時間以上の時間を、生徒たちを理解して生徒たちと良心的に向き合ってくれるのでしょうか。長く続けてくれるでしょうか。しかもお金はほとんどもらえません。

まとめ

最近では東京都内で、外部の方にお金を払って学校に来て部活動を見てもらうケースが出てきているようです。スポーツクラブのインストラクターの方に来てもらって指導を受ける私立の学校があったり、退職後の方に来てもらったりということを始めているようです。スポーツクラブのインストラクターの方々になると、時給もだいぶ高くなるようですが、地域の方々にやってもらう場合は、時給はそれほどは高くないようです。専門的なことが学べると生徒にも好評なのだとか。ただしお金があればということが前提になります。また、中には部活動に生きがいを感じている先生もいます。その先生方にも時給を払いながら顧問をやってもらうことができれば、ボランティアで指導している時とは指導内容も変わってくるはずです。
タダでスポーツ選手や音楽家などの卵が育っていくわけですから、ありがたい話かもしれませんが、部活動を先生方の善意に頼っているから、体罰に近い指導があっても誰も文句を言えないのです。また、視点を変えれば、この国はスポーツにお金を払わない国になったわけです。スポーツ指導者になったとしてもなかなかそれだけで生活することができない世の中なのです。社会はつながっています。どこかに無理を押し付ければ、そのしわ寄せは必ず他にも出てきます。広い視野で未来を見つめていけば、様々なことが見えてくるはずです。

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