教育

教員の仕事は辛いまま?スッキリしない部活動の位置 減らす策は?

投稿日:2017年12月2日 更新日:

『あなたは、今日から「あなたのチーム」を持つことができます!と言うか、あなたは断ることはできません。責任は発生しますが、お金はほとんどだせ出せません。そして、あなたの好きな競技を選ぶことはできません。しかし、他に人がいないのです!予算もないのです!どうか、あなたの力を貸してください!ここではみんなこのことを理解して頑張ってくれています。きっと、自分のチームを持つことができた喜びを感じることはできますよ!ここでしかできない経験を積み、これからの人生に生かしてください!』

教員の長時間労働の改善策を検討している、文部科学相の諮問機関・中央教育審議会の特別部会は11月28日に「中間まとめ」の案を示しました。勤務時間に上限を設ける、などの改善案が出されましたが、今まで放っておいたために肥大化した部活動については、解決策が見当たらず、教員以外に担えるあてが見当たらない、ということのようです。

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教員の仕事はつらいまま?!どうなる?働き方改革!

文部科学相の諮問機関・中央教育審議会の特別部会の案では、

勤務時間の上限を数値で示したガイドラインを作成するよう、文部科学省に求めました。

残業は月45時間以内!(長野県)
週の在校時間が60時間を超す教員をゼロにする!(東京都)

このような目標を打ち出す教育委員会も出ているようです。また、

登下校の見守り
給食費などの徴収管理
ボランティアとの連絡調整 については、学校以外の仕事とし、自治体や教育委員会、ボランティアが担うべきとしました。一方で、

部活動については、教育課程ではない!としながらも、現状として教師が担わざるを得ない、と表明しました。
「学校の仕事だが、教員以外が担うことも検討すべき」という項目に分類されることになっているようです。

確かに、今さら部活動をどのように学校から切り離すのか、その策は大変難しいと言えます。もちろん大きなお金をかけて、それぞれのスポーツや芸術のプロフェッショナルを雇うことができれば、生徒や保護者、そして教員にとってもありがたい話ですが、国としてはそれほどの予算を付けられない、というのが現状なのでしょう。

ある記事によれば『今の教員の勤務状況に即し、自発的な残業に該当する分を給与に上乗せすると、国や自治体負担分の合計は、9000億円を超える』そうです。逆に言えば、教員にそれだけのボランティアを、強制的に担わせてきた、ともいえるのかもしれません。

「子ども達のために」

この言葉を合言葉に、教員達は黙々と働いてきました。家庭と仕事が両立できずに教員を辞めた人もたくさんいます。家族や自分の時間を犠牲にしてきた人もたくさんいるでしょう。そこに人権は存在していたのでしょうか。公務員だから仕方がない、文句は言うな!暗黙の空気があったのでしょうか。

教員の仕事の中でスッキリしない「部活動」の位置づけ

『部活動』を担当する顧問には、子ども達の安全・安心に責任があります。人手不足もあり、主顧問はほぼ一人で部を切り盛りします。学校はチームで運営していますが、部活動では顧問一人です。休日部活では風邪をひいても簡単に休むことができません。休日は休日です。あくまでも部活動は自主的な活動なのです。カバーしてくれる人はいません。

名目上はボランティアのように自主的に行われている活動なのですから、教員ではない人が担当しても問題ないはずなのですが、そこにはいろいろ複雑なこともあります。

例えば、場所。学校で行われているのだから、学校関係者が顧問をした方が効率的ですし、部の活動に必要な道具などはすべて学校に保管されているので、外部の人が子ども達の指導をしたとしても、学校関係者が誰もいなくなることは物理的に難しいと考えられます。

また、部活動のルールの中には、学校生活のルールとつながっていることがたくさんあります。例えば、

下校時刻を守る。
学校にふさわしい服装。
友達を傷つける言動はしない。
部活をやりたいなら学習もきちんとする事。  などなど。

外部の人には分からない細かな約束事が顧問と生徒たちの間に存在しています。部活の顧問の先生には、生徒も頭が上がらない場合があり、生徒指導上でもいい効果がでることがあります。クラスの中では活躍できない生徒さんでも、部活動では生き生きと活躍する姿を見ることができたり、顧問と部員の間には特別な信頼関係が生まれたりと、担任だけではない教員が一人の生徒を見守ることができる、というメリットがあります。

逆に、地域のクラブチームに所属していて、部活動と関係のない生徒たちの中には、そのスポーツだけは頑張っているが、学校では適当に過ごしていたり、居眠りしていたり、という事があります。そのクラブチームを束ねている指導者が、学校での学習を大切に考えた指導をしているかによって、学校での生徒の生活態度も大きく変わってきます。

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また、教員側にも大きな問題があり得ます。

学校教育の中の教科教育では、どんなに頑張って授業案を考え、実践しても、急に全員の成績が大きく上がることはありません。個々の生徒の集合体である学校には、様々な特性や家庭環境の様々な生徒たちがおり、全教科で一斉にグングン成績を上げる、という魔法のようなことは起こらないと断言できます。もちろん個々の生徒が個々の教科で成長していくことはあります。またいい授業をすれば、生徒の表情は輝きます。しかし、そのことで誰かに褒められることもなければ、頑張ったことを認めてもらえる場面もないのです。

しかし部活動は違います。試合に勝てば、その競技の指導者として名前が知れ渡ります。部活動の組織の中心として、その競技の推進育成に携わることも可能になります。そして、県内でも名を馳せることが可能になります。連盟の役員になることができれば、芸術関係では審査員と仲良くなり、有利に働くこともあります。試合に勝つことができれば、教員としても指導者としても、名声を手に入れることができます。たまたま自分が幼い頃からやってきた、よく知っている競技の顧問になることができれば、いい結果を出せる可能性も高くなりますし、授業準備や教科指導を後回しにして部活動に力を入れれば、例え専門分野ではなくてもいづれ成果が出てきます。もちろん長い時間がかかりますが、それほどに部活動で結果を出すことは、教員にとって名誉な事なのです。だからこそ、休日を返上してまでも、部活にのめり込んだり、時には体罰も起こってしまいます。顧問が頑張って部活で名を上げることは悪い事ではありませんし、スポーツの世界ではあり得ることです。しかし、一方で、

その競技が全くの専門外であったり、教科活動を優先し部活動には普通程度に力を入れている場合(だいたいの顧問がこれに当たるはずですが)、顧問にとっては、私的な時間を使い、仕事として取り組んでも負け、保護者や生徒に申し訳なく、お金ももらえず、悲劇です。競技の種類も、顧問をやる、やらないも、自分では選ぶことができないのにです。

部活動とは、校長や教頭であっても入り込むことができない無法地帯です。国が放っておいたために、肥大化した組織もたくさんあります。しかしそれによって競技の技術が高められているのも事実です。

顧問をやりたい、やりたくないにかかわらず、お金も支払わず、責任だけは負わせるのですから、顧問が部活を熱心にやり過ぎてしまっても、逆にあまりに適当にやっていたとしても、誰も強く言う事はできません。

生徒の安心・安全に対して責任はあります。
お金はほとんど出せません。
あなたの好きな競技を選ぶこともできません。しかし・・・
他に人がいないのです!
予算もないのです!
どうか、あなたの力を貸してください!

ということなのです。

教員の仕事を減らす策はないのか

部活動の仕事内容を、ざっと項目にしてみましょう。

≪部活動の主な仕事≫
〇放課後に時間に行われる部活の指導
〇休日に行われる部活の指導
〇長期休み中の部活の指導
〇各種大会や練習試合の休日の引率
〇部員の名簿づくり
〇毎月の練習日程スケジュールの作成
〇部で使う物品の管理
〇部で使う物品の修理・購入依頼
〇審判講習会など、特殊な技能を休日に学ぶ
〇練習試合などを他の学校との連絡調整や申し込み
〇練習試合などの日程の保護者あてプリントの作成
〇各種大会への参加申し込み
〇大会に連れていくバスの手配
〇大会日程の保護者あてプリントの作成
〇部費の管理・会計報告書の作成

その他にも、指導にあたってくれる保護者の方との連絡調整や、吹奏楽部などでは各楽器の講師の先生方との連絡調整など。部や地域によっても様々でしょうが、部活動の仕事は多岐にわたります。全体の仕事の4~5割と言っても過言ではありません。

部活動の時間内だけその競技の指導に当たればいいというわけではありません。例えば、事務処理に手落ちがあって、もし大会に出ることができなくなったりしたら、とんでもないことです。大きな期待を背負っています。

一体ここまで大きくなってしまった部活動を、どのようにしていけばよいのでしょうか?

今さら勝利至上主義をやめなさい!と言っても、保護者、生徒、また人生をかけてきた顧問は納得するのでしょうか?

地域の方々が担うとしても、これまで教員がやってきた指導以外の細かな事務作業まで担ってくれる人はいるのでしょうか。

国から依頼を受けて部活動の運営を担う民間企業でも現れれば、問題は解決するでしょうか。。。

まとめ

今回は、最近話題になっている学校の部活動について、自分自身の経験と現役教員の友人との会話からまとめてみました。そもそもお金をかけずに解決することは、もはや不可能であると感じます。みなさんはこの問題についてどうお考えですか?

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