教育

子どもの「学校の時間」長すぎる!ドイツの思想が興味深い!塾は今

投稿日:2017年8月19日 更新日:

働き方改革が叫ばれる中、日本人の長時間労働が問題視されています。週休3日制や始業時間を遅らせる、自宅で働けるシステム作りなど、様々な取り組みが始まっています。しかし、よく考えてみると、子ども達はどうでしょうか?特に中学生、学校にいる時間、長くありませんか?

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学校にいる時間、長すぎませんか?!

日本の中学生が学校にいる時間を気にしたことがあるでしょうか?

現在、大人の長時間労働が問題になっていますが、

中学生の一日の生活を考えると少し驚きます。

朝8時頃に登校することになっている場合、多くの生徒たちが

朝7時半過ぎに登校します。もちろん始業ギリギリになる生徒もいますが、

一般的にはあまりギリギリにならないようにするものです。

さて、部活動がある日は、だいたい夕方6時から6時半になるので、

中学生が学校にいる時間が、11時間ということになります。

大人でいえば3時間の残業という事になりますが、子どもの場合はあまり

重大に考えらえないのはなぜでしょうか?

昨今の研究で、アメリカの国立睡眠財団の推奨では、中学生に適切な睡眠時間は、

12~13歳:9時間~11時間
14~15歳:8時間~10時間

とされています。

仮に、間をとって9時間の睡眠をとるとすると・・・

24時間ー{11時間(学校)+9時間(睡眠)}=4時間

なんと、家庭で過ごす時間がたったの4時間になってしまいます!

この4時間のうちに、宿題をして、お風呂に入り、ご飯を食べる。

家庭での教育が入り込む余地がありません。これでは、家庭力が発揮される事すら

難しい状況です。このことを踏まえると、学校が

食育や健康教育(がん教育)、人権教育・道徳教育、読書、メディア教育、キャリア教育などなど・・・

何十もの特殊な教育を請け負わなければならなくなるのもうなずけます。

家庭や地域が機能する時間が無さすぎますよね・・・。

さらに土日も部活にとられてしまうとなれば、家族でBBQをしたり、

川や山で遊んだり、近所のイベントに参加したり、というような活動が

全くできなくなります。

学校の多忙化、教員の長時間労働が問題視されていいますが、

はたしてこの状態でいいのでしょうか??

学校の時間が短いドイツ

ドイツの学校は、日本とはだいぶ違うようです。

ドイツの学校はすべて週5日制です。しかもそのほとんどが「半日学校」と呼ばれる時間割編成をとっており、学校は8時始業、1時半までには生徒は下校します。

夕方4時までいられる学校もあるが、「全日学校」と言えるのは千六百校ほど、約5%に過ぎません。

「学校の時間」の拡大は子どもの教育に関する家庭・親の権利の侵害であるという批判があり、この批判はそれ自体としては正当なものとみなされているためです。子どもが起きている時間の半分以上を学校すなわち国が管理することを認めないというのです。
「ドイツの『学校の時間』と改革の動向 前原 健二」より

このように、ドイツでは、国民の風潮として

「学校の時間が長い」=「子どもの教育に関する家庭・親の権利の侵害」

という考え方が強いようです。

目からうろこ、と言う感じですが、もしかしたら日本にも、これに近い考えの保護者の方は

いらっしゃるのではないでしょうか?子どもは18歳には親元を離れる可能性が高くなります。

親が子どもと過ごせる時間は限られています。そのほとんどを学校にとられてしまう事に

疑問を感じる方がいても全くおかしくはありません。こんな理由もあってか、

土日の部活動に親が参加するケースも増え、顧問である先生が背負うプレッシャーは

増すばかり。一方で親としては少しでも子どもと時間を過ごしたいものです。

参考までに、ドイツの子ども達の午後の過ごし方について記述も抜粋させていただきました。

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長い放課後を、子どもたちは音楽やスポーツを中心とした地域のクラブ等で、きわめて安価に、それぞれの時間を過ごすことができます。
一般にそうした地域クラブは公益法人として様々な行財政的な優遇措置を受け、また自発的な寄付金によって支援されています。
こうした子どもたちを取り巻く社会状況は、大人たちの状況を反映しています。残業や休日出勤はごく一部を除いて存在しません。土日は言うまでもなく、日が延びる春から秋には平日の夕方も、都市部においてもふんだんに見つけることのできる広大な公園や整備された遊歩道を家族そろって散歩し、家庭菜園を作り、多彩なクラブに集い、あるいはカフェでビールやアイスを楽しむたくさんの人々がいます。
「ドイツの『学校の時間』と改革の動向 前原 健二」より

※一方で、ドイツでは学力低下が問題になっており、全日学校への動きもあるとのこと。

イギリスでは最新の研究を受けて始業時間を朝10時にしたところ、

テストの結果が19%アップした、と言う報告があります。
「衝撃!本当は怖いニュース」より

アメリカでは、アメリカの一地域で始業時間を一時間遅くしたことで、

生徒の12分~30分の睡眠時間の増加が観察され、
平日に8時間以上の睡眠をとる生徒の数は35.7%⇒50.0%へと大きく増加。
平日に9時間以上の睡眠をとる生徒も6.3%⇒10.8%へと増加した。

さらには、17,18歳の生徒の運転による交通事故の発生率にも効果が現れ、
始業時間がそのままだった生徒の交通事故発生率⇒増加した
始業時間を1時間遅らせた学校の生徒による交通事故⇒16.5%減少した

アメリカ睡眠医学会の学術雑誌『Journal of Clinical Sleep Medicine』より

こんな興味深い結果が出ているのだとか。

学校より塾!?教育格差広がります!

2017年2月放送のクローズアップ現代「加熱する受験競争」の中で、

学習塾が主催する、子ども達だけの1泊2日の雪国体験について触れらていました。

この塾のモットーは「魅力的な人、メシが食える大人」を育てる事。

費用は2万5千円。高いが、この3年で参加者倍増しているそうです。

この背景には、幼いころの体験格差がその後の人生を大きく左右する事や、

自然体験や地域活動など、多様な体験を積んだ子どもほど、成人した後の年収が高くなること、

さらには、結婚率にまで子どもの頃の豊かな体験が影響する、というデータが出たこともあるようです。

このまま行くと、お金がある家庭の子どもと、お金事情が厳しい家庭の子どもの

将来にまで影響してしまう。このまま塾に「自然体験や地域活動」を依頼していいのでしょうか。

ドイツの例を参考に、公益法人として行財政的な優遇措置を受けながら、

子ども達に様々な体験を提供することはできないのでしょうか。

まとめ

中学校では現在、部活動がそれに代わっているわけですが、

同じところに同じ仲間と長時間過ごすことは問題があると考えられます。

その一つが「いじめ」です。悲しい自殺の報道が後を絶ちません。

一日11時間も一緒に過ごす仲間。少しでも仲間から外されたり、

いじめられたりしたら、毎日がどんなに苦しく辛いものになるか。

先生方には監督する責任がありますが、子どもが11時間学校にいるという事は、

先生はもっと学校にいます。やらねばならない事がたくさんあり、クタクタな毎日の中で、

現状として、一人一人をしっかりと見るのは、

かなり敏感な感覚をもった先生でなければ難しいと言えます。

さらに言えば、11時間も学校に縛り付けられているからこそ、

びくびくと人間関係を気にしなければならない状況になります。

子どもにとっても、大人と同様、学校はその子にとっての一部でしかありません。

大人にとって会社が生活の一部に過ぎないように。

学校で物事が上手くいかなくても、地域や他のコミュニティで活躍できれば、

また、学校以外でいい友達がいれば、それほど苦しまずに済むのではないでしょうか。

学校で上手くいかなければ人生そのものがダメなように感じる。そんことはあっては行けません。

一つの場所に人を縛り付ける事のリスクをもう少し考える必要があります。

社会全体がもっといろいろなコミュニティを持ち、自由に動けるように仕組みを変えていくことで、

子どもも大人も、そしてシニアの皆さんのリタイアの後も、豊かになっていけるのではないでしょうか。

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